← 一覧に戻る

DrawNet.ai:AI がネットワークトポロジ図を描く、ポート単位の精度、個人利用は永久無料

itadol5j

ネットワークトポロジ図を描く作業に、苦しめられた人はあまりに多い。Visio では延々とドラッグし、draw.io では線を間違え、描き終えてからさらに Excel を開いてポート対応表を記録する――2つのドキュメントは永遠に一致せず、新人の引き継ぎは大惨事になる。

AI ネットワークトポロジツール

最近、なかなか筋の良いツールを見つけた:DrawNet.ai。アイコンの多さで勝負するのではなく、誰も扱ってこなかったペインポイントに狙いを定めた――ポート単位の精度。

何を解決するのか

従来のトポロジツールでは、スイッチはただのアイコンで、どの物理ポートがどこにつながっているのか分からない。だからITチームは配線を記録するために別途 Excel 表を管理するしかなく、その表とトポロジ図は常に状態が食い違っていた。

DrawNet.ai のやり方は:スイッチの物理ポートを1つずつ描き出す。接続元ポートをクリックし、接続先ポートをクリックすれば、正確なポート番号付きでリンクが確立される。トポロジ図そのものが配線ドキュメントであり、信頼できる唯一の情報源として常に同期される。

コア機能

  • ポート単位の精度:デバイス同士をポート単位で接続。ポート数は自由に設定でき、リネーム(WAN、LAN1…)、IP割り当て、SFP光ファイバーアップリンクのマーキングも可能。Excel の配線表はもう捨てられる
  • AI生成:ネットワークを平易な言葉で記述すれば、AIが数秒で図を組み上げる
  • Tidy Links ワンクリック整理:これが一番快適。クリック1つで、すべてのケーブルが自動的に直交経路で配置され、重複せず、デバイスを貫通しない。図は常にきれい
  • 多形式エクスポート:PNG、SVG、PDF。さらに Visio 互換形式にも対応
  • 登録不要:開いたらすぐ描ける。データはブラウザのローカルに保存
  • オフライン対応:PWAアプリ。描画・編集・保存・エクスポートはオフラインでも使える(Tidy Links だけはサーバー上で動作するためネット接続が必要)
ポート単位の精度ネットワークトポロジ

Visio や draw.io と比べてどうか

公式が比較表を出している。差は歴然だ:

  • 物理ポートの表示:DrawNet ✓ / Visio ✗ / draw.io ✗
  • ポート間接続:DrawNet ✓ / 他の2つは ✗
  • 内蔵配線表:DrawNet ✓ / Visio、draw.io とも ✗
  • AIによる図の生成:DrawNet だけが対応
  • リンクの自動ルーティング:DrawNet ✓ / draw.io ✓ / Visio ✗
  • Visio 形式エクスポート:DrawNet ✓ / Visio ✓ / draw.io ✗
  • ケーブル経路のトレース:DrawNet だけが対応

率直に言えば、Visio は Microsoft 365 サブスクリプション(月$13以上)が必要で、接続線のスナップにはしばしばキーボードを叩き割りたくなる。draw.io は無料で使いやすいが、汎用の描画ツールであり、ネットワーク専用機能は一切ない。DrawNet の位置づけは狭い――ネットワークドキュメントのために生まれた。

適したシーン

自身がはっきり明示している:5〜50台のデバイスからなる中小規模ネットワーク、つまり1本1本のケーブルが重要な環境だ。具体的なユースケースがずらりと並ぶ:

  • 船舶・ヨット:操舵室のネットワーク、機関室のスイッチ、CCTVリンク。RJ45の1つ1つのポイントを明記し、クルーの引き継ぎやメンテナンスに役立つ
  • 工場・産業現場:Moxa、Hirschmann の産業用スイッチ、PLC、IPカメラ、SCADAリンク――技術者は数秒で正しいポートを見つけられ、長々と探す必要がない
  • オフィス・中小企業:スイッチ2台+ファイアウォール+NAS+プリンタ数台。まさにポート単位トポロジが輝く規模で、新人でも迷わず引き継げる
  • スマートビル:KNXゲートウェイ、PoEカメラ、WiFi AP、ホームオートメーション。どこに接続されているか一目瞭然
  • 病院・クリニック:医療機器、ナースコール、モニターを具体的なスイッチポートまで追跡
  • 研修・認定:CCNA/CCNP 学習者が実際のポート番号でトポロジ設計を練習できる

無料は本物の無料

ここは単独で触れる価値がある。サイト冒頭にこうある:「無料なら、あなた自身が商品だ――だが、ここでは違う」。

開発者はフランス・パリの CYZEA SAS(2021年3月登録)。もともとは自社のネットワークドキュメント用の内部ツールで、手に馴染んだからこそ公開を決めた。そのモデルは信頼制(honor system):

  • 個人利用、学習、非営利団体――ツール全体が永久無料。機能制限版もなければ、ペイウォールの機能もない
  • 有料業務での企業利用のみライセンス購入が必要。キーもなく、アカウントもなく、何もロックされない
  • フランスでホスティングされ、GDPR(世界で最も厳しいデータ保護法の一つ)の対象

プライバシー設計もきれいだ:100%クライアント側で動作。図はブラウザのローカルストレージに保存され、公式側は見えない。エクスポートファイルはすべてブラウザ内で生成される。AI機能は入力された記述テキストだけを送信し、既存の図面が送られることは決してない。

4ステップで開始

  • 第1歩:スイッチ、ルーター、サーバー、ファイアウォールをキャンバスにドラッグ。各デバイスには実際のポートが表示される
  • 第2歩:接続元デバイスの任意のポートをクリック――メニューもポップアップもない。つなげたいポートをクリックするだけ
  • 第3歩:接続先デバイスのポートをクリック。リンクが即座に確立され、正確なポート番号が付く
  • 第4歩:Tidy Links をクリック。ワンクリックで自動配線、直交経路、重複なし、デバイス貫通なし

登録もインストールも不要。 drawnet.ai/app を開けばすぐに描ける。個人ユーザーにとって、これはゼロコストの代替案だ。

ネットワーク配線ドキュメント

正直な感想

AIによる図の生成はこの2年、宣伝は多いが実装は少ない。多くのいわゆる「AI生成トポロジ」は Node.js が出力する抽象ノード図を糊し合わせたもので、実際のネットワーク機器とは合致しない。DrawNet.ai の賢いところはAIを主役にしていないことだ――まずポート単位のデータモデルを固め、AIはあくまで図を組み上げる速度を上げる手段にすぎない。核心価値はあくまであの正確な配線ドキュメントにある。

プロジェクトは現在も活発に開発が続いており(最近の更新は2026-09-17)、機能追加のペースも速い。中小規模ネットワークを管理している人や、CCNA/CCNP の受験準備をしている人には、試す価値がある。

トポロジ図と配線表は、本来同じ1つのドキュメントであるべきものだ。

公式サイト:www.drawnet.ai
開発者:CYZEA SAS(フランス・パリ)
価格:個人は無料、商用は信頼制によるライセンス購入